傾聴は、相手の話を聞くことで信頼感を築くことができると言われていますが、実際にはうまく傾聴できない場合もあります。その中でも、相手に嫌な気持ちを与える危険性がある言葉があります。
あた相手を不快にさせるものでなくても、意識的・無意識的に話し手が言葉や感情を出しにくくなる言葉というのもいくつかあります。
本記事では、傾聴をする上での注意点と、使ってはいけない言葉について解説します。
傾聴のポイント
まずは傾聴の基本ポイントを復習しましょう。
話を遮らない
相手が話を終えるまで待ちましょう。遮ったり、自分の意見を挟んだりしないようにしましょう。
相手の話を理解しようとする
相手が何を伝えたいのかを理解することが大切です。相手の話に興味を持ち、共感や理解を示すことで、相手は自分が理解されていると感じ、信頼感を抱くようになります。
相手の表情や態度に注目する
相手の話に真剣に向き合い、相手の表情や態度に注目することで、相手が自分が大切にされていると感じ、信頼感を抱くようになります。
傾聴で言ってはいけない言葉は?会話を壊すような発言
傾聴する際には相手を尊重することが大切です。相手の話を聞くことで、相手とのコミュニケーションがスムーズに進み、信頼感を築くことができます。ただし、相手に嫌な気持ちを与えるような言葉を避け、傾聴を行うよう心がけましょう。
相手の話を遮る言葉・発言
「あのね、俺もね…」
「実は私も…」
相手の話を遮り、自分の話に移ることは相手に対して失礼です。相手が話を終えるまで待ちましょう。
相手の話を否定する言葉・発言
「でもさ…」
「それ本当なの?」
「ちょっとそれは違うと思う」
相手の話を否定してしまう言葉です。相手の話を理解しようとする姿勢を見せましょう。
相手の意見を否定する言葉・発言
「あなたはそう思うかもしれないけど、私は…」
相手の意見を否定する言葉です。相手の話を理解することが大切です。
相手の話が退屈だと思わせるような言葉・発言
「その話、前にも聞いたことある」
「それ、前も話していたよね」
相手の話を退屈だと示すことになります。相手の話に興味を持ち、真剣に向き合いましょう。
相手の話を無視するような言葉・発言
「あなたが言ってることと、全然関係ないんだけど…」
相手の話を無視することになり、相手に失礼な印象を与えます。相手の話に真剣に向き合い、関心を持ちましょう。
傾聴で言ってはいけない言葉は?話しにくくなる言葉
話し手・相手のことを尊重していても、つい自分の考えや意見を盛り込んでしまう言葉・発言にも注意しましょう。
特に「こういう気持ちなのでは?」といった当てがちにいくような言葉は、相手が意識的にも無意識的にも、自分の素直な感情・意見・気持ちを言えなくなってしまう状態を作ってしまいます。
相手のことを「分かりに行く」という姿勢を心がけましょう。
話し手の気持ちを推測する言葉・発言
- もしかして◯◯でしょうか?
- おそらくこういう気持ちだったのではないでしょうか?
- もしかすると・もしかしたら
推測や予想を表す場合の言葉・単語は注意が必要です。
話し手の感情や気持ちを誘導する言葉・発言
- たとえば
- ◯◯もありますか?
- 多分◯◯だったのでは?
話し手の気持ち・考えを当てにいく・言葉を言い換えた発言
- 〇〇みたいな感じでしょうか?
- きっと◯◯と思いますよ
- 〇〇な気持ちだったんでしょう。
話し手が相手の気持ちを推測して、その推測に基づいたアドバイスや意見を述べているため、相手が本当にそのように感じているわけではない場合があります。また、相手が自分の気持ちを話す機会を奪ってしまうこともあるため、注意が必要です。
相手の気持ちを言い換えたりすることも、話し手の気持ち・考えを当てに行く発言になるのでやめましょう。
傾聴は「開いた質問」をすること
傾聴をする際に、相手の話に対して興味や共感を示す質問をすることは大切です。
その中でも「開いた質問」をすることが大事です。
開いた質問とは?
開いた質問とは、相手に自由な回答を促す質問のことです。
つまり、回答が「はい」や「いいえ」のように単語や簡単なフレーズで答えられる閉じた質問ではなく、相手が自分の考えや感情を自由に表現できるように導く質問のことです。開いた質問を使うことで、相手の意見や考え方をより深く理解することができ、より良いコミュニケーションを築くことができます。
話し手の思いや感覚を聞くこと、相手のことを分かりに行くということが傾聴の本質になります。
開いた質問の例
- ◯◯についてどう思われますか?
- ◯◯についてどのように感じたんですか?
- その状況になってから、どのように対処していましたか?
- もう少し詳しく教えていただけますか?
- どのようにしてその考えに至ったんですか?
- その時の周りの環境について教えていただけますか?
- 今後、その状況にどのように向き合っていくつもりですか?
- その状況から学んだことはありますか?
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