傾聴について学んだり見聞きしている中で「共感」「承認」という言葉を多く目にします。
傾聴における「共感」「承認」とは何なのか?共感や承認の種類とともに、アドラー心理学の「3つの承認」についてもまとめました。
傾聴とは?
傾聴は相手の話を注意深く聞くことを指し、その内容を理解するために自分自身の視点や意見を一時的に置いておくことが求められます。傾聴をすることで、相手が話していることを理解し、相手に対して尊重や信頼を示すことができます。
共感とは?
共感は相手の感情や状況に対して、自分自身も同じように感じることを指します。共感することで、相手が話していることに対して理解を示し、相手に対して共感や支援を示すことができます。
感情的な共感
相手の感情に共感し、相手が感じていることを理解しようとすること。相手の感情に寄り添い、共感することで、相手が自分自身を認められたり、受け入れられたりすることがある。
認知的な共感
相手の立場や考え方に共感すること。相手の状況を理解し、相手の立場や視点に立って考えることで、相手をサポートすることができる。
行動的な共感
相手の状況に適した行動をとること。相手の気持ちに寄り添い、相手に必要な支援を提供することで、相手が自分自身を受け入れ、自己決定をすることを促すことができる。
傾聴において、これらの共感の種類を適切に使い分けることで、相手を深く理解し、サポートすることができます。
承認とは?種類についても
承認は、相手の言動や感情に対して肯定的な評価を示すことを指します。承認することで、相手に対して自分自身が尊重され、自己肯定感を高めることができます。
ただし、承認が過剰になりすぎると、相手が自分自身を肯定することができず、依存的な関係になる可能性があるため注意が必要です。
次に紹介するのは傾聴における承認の種類の一例です。相手の話を聞く上で、適切な承認の種類を使い分けることが重要です。
肯定的な承認
相手の話を肯定することで、相手が話を続ける自信を与えます。例えば、「あなたの話、よくわかりました」というフレーズは、相手が話していることを肯定する表現です。
認知的な承認
相手の気持ちや感情を受け止め、理解することで、相手の立場に立って話を聞いたことを示します。例えば、「そういう気持ちになること、わかります」というフレーズは、相手の感情を認知する表現です。
放置的な承認
相手の気持ちや意見に同意しなくても、相手の意見を尊重し、自分の意見を押し付けないようにすることで、相手を尊重する姿勢を示します。例えば、「なるほど、そういう意見もあるんですね」というフレーズは、相手の意見を尊重する表現です。
調整的な承認
相手の話を肯定しながら、同時に相手の考え方を変えるための調整を行います。例えば、「あなたの意見はとても大切ですが、もう少し別の角度から考えてみてはどうでしょうか?」というフレーズは、相手の意見を認めながら、別のアプローチを提案する表現です。
アドラー心理学3つの承認
アドラー心理学における3つの承認とは、次の通りです。
- 承認された存在 – 他者から自分自身が認められ、受け入れられたと感じること。
- 承認された行動 – 自分自身が取った行動が、他者から認められたと感じること。
- 承認された思考 – 自分自身が持つ思考や信念が、他者から認められたと感じること。
アドラー心理学では、これらの承認を得ることが、個人の自己肯定感を高め、自己実現を促すために重要だとされています。
承認された存在
アドラー心理学における「承認された存在」とは、人が自分自身を肯定的に認め、自分自身を尊重し、自分自身に価値を見出すことを指します。
アドラー心理学では、人は誕生時から自分自身を肯定することができず、社会的な環境からの評価や承認を求めるようになります。
しかし、外部からの承認に依存することは、自分自身の価値を見出すことができず、他人の意見や期待に縛られることにつながるため、自己承認が重要視されます。
自己承認は、自分自身の能力や価値観を肯定することから始まり、自分自身を受け入れ、自分自身に対して責任を持ち、自分自身を成長させることに繋がります。
アドラー心理学の承認された存在は、自分自身を愛し、自分自身に尊重を払い、自分自身を肯定することができることを示します。
承認された行動
アドラー心理学における「承認された行動」とは、社会的に望ましい行動、つまり自分自身の目的達成や他人への貢献につながる行動のことを指します。
これは、自己実現に向けて自分自身の能力を高め、自分や周りの人々にとってプラスの影響を与えるために必要な行動であり、自分自身を肯定し、自分自身を信じることができるようになるためにも重要です。
アドラー心理学では、承認された行動は、「社会的利益」を生み出すと考えられています。つまり、自分自身が成功し、他人に貢献することで、社会全体がより良くなるという考え方です。承認された行動をとることで、自己実現に向けて進むことができるとされています。
また、自己実現に向けて進むことができることで、自分自身を肯定することができ、自信を持って自分自身を表現することができるようになるというメリットもあります。
承認された思考
アドラー心理学では、承認された思考として、「共同体意識」が挙げられます。
共同体意識とは、自分自身が含まれる社会的な共同体やグループ全体を考え、その共同体やグループの利益や幸福を追求する思考です。
例えば、個人的な成功や利益追求よりも、家族や友人、仕事のチームや社会全体の利益を重視する考え方が含まれます。
共同体意識を持つことで、自分自身の幸福や成功だけでなく、周りの人や社会全体の幸福や成功に貢献することができるとされています。
アドラー心理学では、このような共同体意識を持つことが、個人的な幸福感や満足感を高める一つの方法であると考えられています。
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